SKETCH BOOK




「梓!ちょっと降りてらっしゃい」


「はぁい」


雑に返事を返して、自室を出る。


階段をトントンと降りてリビングに行くと、
パパとお母さん、それからもう一人男の人がいた。


あたしはその男を見て唖然とした。


だって、その男は……。


「梓ちゃん、紹介するね。
 こいつは橙輝。よろしく」


「だい……き?」


「そう。梓ちゃんとは
 同じ高校に通っているよ」


そんなことは知っている。


だってこの人、あたしの隣の席の子だもん。


橙輝っていうんだ?


全然読めなかった。


橙輝はあたしを見ると、
少し気怠そうにため息をついた。


橙輝は分かっていないのかな。


あたしが隣の席だってことに。


「あなたたちは兄妹になるからね。
 橙輝くんのほうが四か月早いから、梓が妹よ」


え、お兄ちゃんが出来るの?


そんなの聞いていないんですけど……。


パパは、ははっと笑って橙輝の頭を撫でた。


「やめろよ。親父」


「なんだ。反抗期か?
 梓ちゃんと仲良くしろよ?」


「…………」



とりあえず、あたしは橙輝に近付いた。