なにも返事ができない自分自身に落ち込みながら栞菜は啓吾の待つ披露宴会場に向かった。


「どうした?」
必死に普通を装っても啓吾にはすぐにわかってしまう。


栞菜はなにも言わずに微笑んだ。


そんな栞菜の手を啓吾が握る。


そのあたたかさにまた鼻の奥がツンとなる。


美咲のウェディングドレス姿が栞菜には更に眩しく思えた。