『バンッ!』乱暴にあいた扉の向こうには慌てた様子の啓吾がいた。




その視線のさきには青白い顔でもくもくと資料を読みあさる栞菜がいた。



病院からの連絡で会議が終わってすぐ秘書室に慌てて来た啓吾は栞菜の姿にほっと胸を撫で下ろした。



啓吾は代理の秘書に指示をだし栞菜の机の向かい側に椅子を置いた。




「手伝う」




その声に栞菜は顔をあげた。




啓吾は力強く、でもいたずらっ子のように笑う。まるで栞菜の考えをすべて分かっているようだった。