栞菜はスーツのジャケットを脱ぎネクタイをはずした啓吾があまりにも優しく穏やかな顔をしていて、今日一日の出来事を思い出すと余計にそんな啓吾の優しさに涙が溢れた。




メイクを落としていた啓吾はコットンからティッシュにかえて栞菜の涙を拭き始めた。




大粒の涙を次々に流す栞菜に、この細くて小さな体にどれだけのものを背負っているのか、、、



今日一日どれだけ辛い思いをしてきたのか、、、



考えるだけで胸が痛んだ。



そして、涙を流し続ける栞菜の唇に気づくと自分の唇を重ねていた。