「ちょっと座れ」




啓吾は栞菜をみんなから見えない場所へ連れ出しベンチへ座らせた。




「大丈夫です。啓吾さんお手洗いは?」





「顔色悪すぎだ。あそこで倒れたらまたまわりがうるさいだろ?」




啓吾は栞菜に温かいお茶を飲ませた。




「今日、親父からみんなに俺たちの婚約が正式に発表される。」



「はい」




「平気か?」




「はい」




栞菜はまっすぐに啓吾を見る。



啓吾は栞菜のあたまをポンといつものように撫でた。