「お忙しいなか兄のためにお越しいただきありがとうございます。」




深々と頭を下げる栞菜に「大丈夫か?」と声をかける啓吾。




啓吾に話しかけられるのも1ヶ月ぶりだった。




「はい。どうぞお入りください。」




大丈夫じゃない



大丈夫じゃないよ




と思いながらも栞菜は啓吾を迎え入れた。