一度着替えて出勤し栞菜はいつものように秘書課のデスクや社長室の掃除、花の水やりをしていた。




「高宮さん、取締役がいらっしゃったわよ」




先輩秘書の声がかかり急いで社長室の前に並んだ。




すると廊下の奥から颯爽と歩き啓吾が来た。




今朝の姿からは想像もつかないような姿に栞菜は息を飲んだ。



タイトなスーツを着こなし髪をピシッとまとめ眼鏡をかけビジネスバックを持ち歩く早さも早い。




「おはようございます。秘書課の職員一同です。これからよろしくお願いします。」





秘書課の主任が挨拶をして頭を下げると「佐川さん、安藤さん、石澤さん、雷さん、高宮さん、よろしくお願いします。」と、啓吾はすらすらと秘書課職員の名前を呼んだ。