啓吾は栞菜が退院するまで付き添えるように１度自宅へ戻りシャワーを浴びて荷造りした。そのあと栞菜から聞いたホテルに栞菜の荷物を取りにむかう。


そして会社によりしばらくの間は病院から簡単な指示をするだけですむよう段取りをつけた。幸い株主総会の準備は最終調整程度で済んでいた。



『コンコン』扉がノックされて返事をすると翠が取締役室に入ってきた。

「大阪に帰ります。」
「そうか。」
「すみませんでした。」
「もうすんだことだ。これからの立川に期待してる。」
忙しく机の上の資料をまとめる啓吾に翠が視線を向けていると
「実は栞菜が入院してるんだ。２、３日は付き添いたいから俺も休むんだ。」
翠は栞菜との前日の会話を思い出していた。