「藤崎さん。目が覚めましたか?ご気分は?」
「大丈夫です。」
「吐き気やめまい、痛みはありませんか?」
「少し気持ち悪いです。」
医師からの質問にこたえていく栞菜のベットの横にたち啓吾も見守っていた。

「赤ちゃんが元気な証拠ですよ。藤崎さんは妊娠には気づかれていましたか?」
「はい。」
「病院には?」
栞菜は首を横にふる。

「出産を望まれますか?」
ちらりと啓吾を見る栞菜。
「はい。」
啓吾は栞菜の手を握った。
啓吾に続いて栞菜も「はい」と答える。