栞菜は次の日まで目を覚まさなかった。

お昼近くになり目を覚ますと少し髭が延びて疲れた顔の啓吾が自分の手を握っていた。

「お腹、痛くないか?」
啓吾が心配そうに栞菜を見る。栞菜は静かに頷いた。

「そっか。よかった。」
「ごめ…」
「栞菜。ごめん。ごめんな。」
どうして啓吾が謝るの?と思いながら栞菜は首を横に振る。

「ごめん…。」
栞菜の手に自分の額をつけながら謝り続ける啓吾に栞菜は涙が止まらなかった。

自分が信じきれていれば啓吾がこんな思いもこんなつらそうな顔もすることがなかったのに…