啓吾は再び眠った栞菜の手を握った。その手の薬指に指輪がない。啓吾は指輪のあとを撫でながら栞菜の手紙を思い出していた。


自宅へ戻って栞菜からの手紙を見つけたとき、すぐに栞菜がいる場所がわかった。



こんなにも車を飛ばしたことはなかった。


本当に彼女を失ってしまうかもしれないと思ったら自分じゃないみたいに心が震えて、焦った。

そして倒れている彼女を見つけたとき一気に血の気が引いた。