「おはよう」
「ん~おはよう」
珍しく眠そうな啓吾。栞菜は朝食を用意して自分も正面に座った。

「遅かったね、昨日。」
「あぁ。会議の後の打ち合わせが長引いて。」
「飯村物流の?」
「うん。」
「担当者、増やしたら?」
「無理だろ。結局は大阪支社が軸になってやるプロジェクトなんだ。立川以外はいまできる社員がいない。」
啓吾は朝食を頬張りながら話す。

「じゃあ私、出勤する?」
「だめだ。結婚式までは無理させられない。」
「……。」
栞菜は啓吾に予防線をはられたように感じていた。