次の日は午後から支社の視察だった。

ほとんど眠らないまま啓吾は支社の資料を読み漁っている。栞菜は睡魔に逆らえず眠りに落ちていた。そんな栞菜にまた欲望をぶつけてしまいそうで、思いをかき消すように啓吾は仕事をした。



「ごめんなさい!」
慌てて起きた栞菜はベッドの隣で仕事をしている啓吾の姿を見た。啓吾は優しく微笑みかける。


久しぶりに栞菜も屈託のない素直な笑顔を向けた。