視線 ~人生が変わる瞬間~


「いいなぁ~、私も転校してくればよかった」


「織坂さんがうらやましいよ…」


 女子がひそひそと、声のボリュームを下げて話している。


 ふふっ、もっともっと言ってくれていいのよ。


 私はこの美形男子の隣の席なんだから。


 あー、これが一目惚れってやつなのかな。


 さっきから胸の鼓動がおさまらないよ!


 っていうか、気のせいかな?


 ずっと美形男子と目があってるんだけど。


「あっ、あの…私の顔に何かついてる?」


「いや…そうじゃなくて、あんた誰?」


 私と美形男子の間に、数秒の沈黙。