記憶(仮)

鈴華Side

「綾斗、これからどうするの?」

『どうするって言われても…俺の家どこかわからないし…』

「一つ提案なんだけどここでしばらく働かない?」

『?メイドってこと?俺家事とかできるかわからないよ?』

「今のあなたが一人暮らしができるとは思わないからね、その練習も兼ねてさ。どう?」

『確かに…でも迷惑にならない?全くできない俺を雇ってさ』

「雇う前にあなたは私の患者だからね。医者としてはこれぐらいはやらないとね」

『鈴華がいいならお願いします。………もしかして呼び捨てってマズイ?』

「ここで働く以上私に忠誠を誓ってもらうのだけれど……仕事の時以外なら呼び捨てでいいわよ。」

『わかりました。……鈴華……お…お嬢様……』

ものすごく言いずらそうね……ま、お嬢様なんてつけなくていいんだし

「お嬢様なんてつけなくていいよ。'さん'でいいよ」

『なら、改めてましてここで働かせていただく綾斗です。よろしくお願いします。鈴華さん。』

「ええ。よろしくね、綾斗。早速だけど仕事してもらおうかしら。柚葉のところへ行ってもらえるかしら。そこで指示されたことをやってもらうわ」

『わかりました。……すみません、柚葉さんはどちらに…?』

「ここを出て左の突き当たりの部屋にいるわ」

『ありがとうございます』