バスから降りた後の休憩時間。
陽葵ちゃんに問いただされて、
階段の下でのことも、バスの中でのことも、
ぜーんぶ話した。
でも、自分の気持ちは話せていない。
バスから降りるとき、離れた手に寂しく思っ
た。なーんて、言えるわけがない。
話を聞き終わった陽葵ちゃんに
「で、結衣奈は愛斗のことが好きなの?」
と、聞かれて、すぐには答えられなかった。
だって、愛斗のことが好きって認めたら、
今までの関係を壊してしまう、と思ったから。
怖かったんだ。愛斗と一緒にいられなくなる
のが。
『陽葵ちゃん、ありがとう!
私、愛斗のことが好きだよ。』
陽葵ちゃんに話したら、心が
軽くなった気がした。