ーここみsideー

今日は、高校の初登校日。
けれど、ワクワクもドキドキも全くしていない。
私は人と話すことが嫌いだ。
だから今日が早く終わればいいと思っていた。


窓の外で風をうけて散っていく桜を見ていたとき、誰かに横から方をトントンされた。
私は前髪を通してその人のことを見た。
はっきりとは見えなかったけどその人がイケメンなのはすぐに分かった。
同じ人間なのかと思うほど美しい顔だった。
少し茶色がかった細い髪 。ニキビひとつない綺麗な肌。
切れ長でシュッとした目。
すると、そのイケメンの唇が開いた。
「なに?そんなに見られると照れるんだけど笑」
「ご、ごめん。」
普通に謝ってしまったけど、最初に喋りかけてきたのはそっちでは?と思った。
けど、彼の笑った顔があまりにも爽やかでそんなことは気にしなかった。
ん?視線を感じる。首は動かさずに少し横目で見てみた。
イケメンがこっちを見ている。その顔が眩しくて、私は口を開いた。
「な、なに?なんか、なんかまぶしぃんだけど、、」
「あ、わりぃ。何だよ眩しいって笑 それよりお前名前は?」
「桜井 ここみ です。」
「桜井、な!俺は新井 けいた。これから1年よろしく」
「う、うん。 よろしく」
彼は新井くんと言うらしい。
この、椎名高校は最初に決まった席で1年間過ごすらしい。
だから、私はこのイケメンと1年間隣の席で過ごすことになった。