おばあちゃん家に行くのは久しぶりなので、道を覚えているかが、いちばん心配…

お母さんに地図書いて貰えばよかったかなぁ〜…でも、そんなことしたら、さらにバカにされる要素が増えるだけだしな…うん、まぁ、なんとかなるだろ




歩き始めて、20分程したころ…


グゥーギュルルルルル…




「よし、お腹減ったし、おやつ食べよう!」



私はカバンから、クロワッサンを取り出し食べ始めた。すると、周りの木々から、鳥やらリスらやが集まってきた。

どうやら、私が食べているクロワッサンを狙っているようだ。



「……くぅー、仕方ない、ちょっとだけだからな!私だってお腹減ってるんだからな!!」



そう言い、パンをちぎり、動物たちの方へ放った。

チチチチ鳴きながら食べたかと思ったら、すぐに顔を上げ、こちらを見てくる。



「催促してやがる!だからさー!そんなに量持ってきてないから、ホントにダメなの!!」




そう言い、私は慌てて残りのパンを口に入れた。




「ほふぁ、ほぉうふぁい(ほら、もう無い)」




そう言って両手を見せると、動物達は、チッ、もうねぇのかみたいな態度で元いたであろう場所に帰っていった。




「全く…お陰で大分時間経っちゃったな…急がないと」



朱奈が荷物を持って立ち上がり、歩き出そうとした時、背後の茂みからガサゴソと大きな音が聞こえた。






「い、いやぁ〜、まさかねぇ〜…出るの夜ってお母さんも言ってたしね…違うよねぇ〜…」





そう言いながらも、足はソロソロと音のした方とは逆に向かって進めて行く。





ガサガサガサガサガサガサ…






「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!た、助けてっ!」




バッ!!





「ひっ!!………ん?」









茂みから出てきたのは、なんと人間だった 。