「あの、大丈夫ですか…?」


どれくらいたっただろう。


ずいぶん泣いてしまい、疲れて壁にもたれかかっていると、頭上から声がした。


低音ボイスから男だと言うことは、ボーッとした頭でも判断できる。


「大丈夫です…」


きっと今、私の顔はひどいはずだ。


それを見られたくなくて、私は俯いたままそう答えた。


「調子悪いとかでは…」


「大丈夫です…」


せっかく心配されているのに、私はウザったく思ってしまう。


自分の心はかなりやさぐれているようだ。