学校
「バーベキュー大会?」
「そう!私引っ越す時先輩にイベントもやるって言われたでしょ?だから、今年の夏はみんなでバーベキューをしたいって提案したらオッケーもらえて。しおりどうかな?」
「んー、でも今はそんな気分じゃないっていうか、、」
「拓人くんとのこと?」
「べ、別にあいつのこときにしてるわけじゃないし!」
「拓人くんも心配してたよ?言いすぎたって」
「、、、拓人が?」
「うん」
「、、、」
「今年の夏は先輩にアタックするんでしょ?拓人くんにあれだけ言ったんだから、頑張ってみない?」
「ななみ、、」
「余計なお世話かもしれないけど、しおりの先輩への気持ちは私が一番知ってるから。私みたいに伝えられないまま後悔して欲しくないの」
「ななみ、」
「しおりには後悔しない恋をしてほしい」
「、、うん、わかった。行く」
「うん」
「ありがとうななみ。色々ごめんね」
「ううん」
「よし!ファイトだ私!」
「ファイト!」
「んー!!いいバーベキュー日和!」
「ほんと晴れてよかったなー!筋トレ日和だ」
「ほんと修斗って筋肉バカよね」
「お前はただのバカだけどな」
「はぁー?!」
「こらこらケンカしないで手動かす」
「「はーい」」
「先輩が近い///」
「今日はアタックするんでしょ?頑張って」
「うん!」
ピンポーン
「あ、誰か出てくれる?」
「私でます」
ガチャ
「いらっしゃい」
「おじゃまします」
「え?拓人、、」
「栞里、、」
「ちょっと、なんで拓人がいるの?!」
「私が呼んだの。こうゆうイベントは人数が多い方が楽しいでしょ?」
「でも、、」
「このままじゃダメだと思う。いつも栞里のわがまま聞いてるんだから、今日ぐらい私のわがままも聞いて?」
「、、わかった」
「「、、、」」
「じゃあみんな集まったしバーベキュー始まるよー。修斗、奏太、拓人くん手伝って」
「「はーい」」
「、、これ、皿」
「、、ありがと」
「、、ブスッとすんなよ」
「え」
「そんな顔でいたら先輩に悪いイメージ持たせんだろ」
「、、、」
「、アタックするんだろ?なら最後までやり切れよ」
「、拓人、、言われなくてもわかってるし!」
「、、頑張れよ」
「!、、うん、」
「あの時思いついたのはこれか」
「うん、うまく行くといいけど」
「もうすでにうまく行ってると思うけど」
「え?」
「頑張れよ」
「!、、」
「はぁ!お腹いっぱい!」
「俺もー!!」
「今日の夕飯当番は、、、千夏と修斗か。食器の片付け頼むぞ」
「私拭く係ー!」
「は?!ずるいぞ!」
「先輩、飲み物もうないんですか?」
「あ、そーいえば飲み終わってたね」
「私買ってきます」
「え、いいよ、お客さんなんだから」
「私がそうしたいんです」
「じゃあお願いしようかな」
「はい!」
「、、、」
「なんでついてきたのよ?」
「なんでって」
「謝らないから」
「え?」
「この前言ったこと、間違ったことは言ってないし」
「、もういいよ、気にして」
「でもありがとう」
「え?」
「今日拓人がいなかったらあんな風に先輩と話できなかったかもしれないし。だから、ちょっとだけありがとう」
「、あぁ」
ガチャ
「片付け手伝う」
「あぁ、ありがとう」
「里香先輩と滝澤先輩?」
「?」
「鉄板の焦げって落ちにくいのよね」
「里香、このあいだのことだけど」
「?」
「この間って?」
「好きだって言ってきたこと」
「?!」
「、、何?」
「前にも言ったけど俺は」
「私とは無理だって?それは何回も聞いた」
「、、」
「釣り合わないとか俺じゃ無理だとかあと、何回聞けばいいの?」
「?!」
ガシャン!
「?!」
「栞里ちゃん?!」
「あ、あの、、、、すみません!(走り去る)」
「栞里ちゃん!」
「俺が行くんで」
「、、、」
「、、、」
「はぁはぁ」
「(泣).」
「、、、栞里」
「、、なんとなくわかってた」
「え?」
「あの2人には何かあるんじゃないかって」
「、、、」
「見て見ぬ振りして自分の気持ち貫こうって。でも、実際あんなところ見たら、、」
「、、、諦めるのか?」
「だって相手はあの里香先輩だよ?!勝てるわけないよ」
「だからって何もせずにただ指くわえて諦めるのか?」
「、、、」
「俺にあんな大口叩いたのはどこの誰だよ」
「、、でも」
「、、水瀬に言われたんだ。近くにいれて好きって伝えるチャンスがあるって羨ましいって。たしかにそうだよな、水瀬は伝えたくても伝えられないんだよな」
「、、、」
「、だから伝える。俺はしおりが好きだ」
「!?え?」
「こんな時に伝えるなんてどーかしてるよな。俺もこんなはずじゃなかった。けど、こんな状況だからこそ伝える。俺はお前がずっと好きだった」
「?!?!」
「俺はちゃんと伝えたぞ。あとは栞里、お前だけだ」
「、、、」
「どんな結果になっても、俺はずっとお前の味方だ」
「拓人、、」
「だから、、ぶつかってこい」
「、、、(走る)」
「、、頑張れ、しおり」
「、、、」
「先輩!」
「栞里ちゃん!あの、さっきは」
「先輩!私先輩に伝えなきゃいけないことがあります!、私先輩がずっと好きでした!」
「栞里ちゃん、」
「入学式の日、私を助けてくれたあの日から先輩は私の中のヒーローで、私の大好きな人でした」
「、、、」
「先輩の中では後輩1人だったかも知らないけど、私にとってはほんっとーに大好きな人でした」
「しおりちゃん、、俺は、」
「、、先輩、ちゃんと振ってください」
「、、」
「ちゃんと伝えてくれないと、私、前に進めないです」
「、、」
「だから、、お願いします」
「、、栞里ちゃん、好きだって伝えてくれてありがとう。嬉しいよ。でも、、ごめん。栞里ちゃんの気持ちに応えることはできない」
「、、、」
「本当にごめん」
「、、ありがとうございます。これで前に進めます」
「、、」
「先輩、想いは言葉にしないと伝わりませんよ?」
「しおりちゃん、」
「だから、先輩も後悔しない恋してください(走り去る)」
「、、」
翌日 学校
「なーなみ!おはよう!」
「しおり?!昨日心配したんだよ?!いきなりいなくなっちゃうし連絡取れないし」
「緋山栞里、先輩に振られました!」
「え?」
「頑張って想いを伝えたんだけど無理だった」
「しおり」
「でも!伝えてよかった。私の想いも聞いてもらえたし、それに対してしっかり振ってもらえたし、今はなんだかスッキリしてる。ななみがちゃんと伝えろって言ってくれたおかげ。ありがとね」
「しおり、私、、」
「なんで菜々美が凹んでるわけ?!凹みたいのは私なんですけど!」
「、、、」
「なーんてね!もう大丈夫!まぁしばらくは思い出しちゃうかもしれないけど、少しずつ前に進むから」
「しおり」
「、、あともう一つ報告が」
「水瀬おはよう」
「拓人くん」
「?!(立ち去る)」
「え?しおり?」
「、、、」
「もしかしてまたケンカ?!」
「いや、実は言っちまった」
「、、え?!」
「こんなタイミングで言うなんて思ってもなかったんだけど、つい」
「で、どうだったの?!」
「先輩とのことがあったばっかだしまだなんとも」
「そうだったんだ、、」
「でも伝えられてよかったよ。水瀬のおかげだ」
「私は何もしてないよ」
「水瀬がいつも応援して背中を押してくれてた。それが力になったんだと思う」
「ふふ」
「?」
「やっぱり2人はいいコンビだよ。結果はどうであれ、とりあえずお疲れ様」
「おう」
夜 家
「菜々美ちゃん、ちょっといい?」
「あ、はい」
「栞里ちゃん、大丈夫だった?」
「え?」
「昨日、色々あって、、」
「、、里香先輩は滝澤先輩のことが好きなんですか?」
「、、何度も忘れようと思ったの。けど、結局気付けば彼を目で追ってる」
「、、」
「出会ったのは高校生の時で。彼はクラスの人気者で私は教室のはじにいるような、交わることがない2人だった。けど、バイオリンの練習をしていた音楽室に彼が入ってきて世界が変わった」
「そこから好きに?」
「私のバイオリンの音色を好きだって言ってくれたの。そんなこと言われたの初めてだった。それから今まで以上にバイオリンに力を入れて、彼に少しでも近づけるように頑張った。その結果、バイオリンの実力が大学に認められて今の大学に推薦で入ることができたの」
「滝澤先輩には伝えたんですか?」
「高校卒業の時も伝えたし、大学に入ってからも伝えた。それに一週間前にも」
「滝澤先輩は?」
「俺たちは釣り合わないだの、俺じゃ無理だの断られてる」
「もしかしてこの家に住んでるのも」
「そう。そばに居たかったから。最初は断られたけど無理矢理にね。ストーカーみたいやね。同じ大学に入って、同じ家に押し入るなんて」
「そんな」
「でも、好きな気持ちは変えられないの。私は賢太郎が好き」
「里香先輩」
「ごめんね、菜々美ちゃんにこんなこと言って」
「いえ、私は。、、栞里は前に進むって言ってました」
「栞里ちゃんに嫌われちゃったかもね」
「そんなことないです!」
「?」
「たしかに2人のことはショックだったかもしれないけど、そんなことで人のことを嫌うような子じゃありません!」
「仲がいいのね、ほんとに」
「私もいろんな面で栞里には助けてもらってます。だから私も栞里の力になりたいんです」
「そう、、栞里ちゃんにはまた遊びにきてって伝えておいて」
「はい」
「、、、」
「、、、」
「今度はなんだよ」
「竹内くん。何が?」
「水瀬がここにいるときは悩んでる時だから」
「 バレてたか。恋って難しいなぁって思って」
「え?」
「みんな、幸せになろうともがいてる。でも、必ずしもその恋が成就するとは限らない。どうしてみんなが幸せになれないんだろう」
「そういう試練があるからこそ恋っていうんじゃないのか?」
「え?」
「何もなく幸せを手に入れたら、幸せの価値なんてなくなるだろ?試練があるからこそ最後は笑顔で幸せを感じられる」
「、、、」
「なに?!」
「すっごく心に染みた。竹内くんってすごいね」
「俺は別に」
「竹内くんは好きな人とかいるの?」
「え?、、」
「?」
「、、いる、かな」
「そうなんだ。どんな子?」
「、、可愛い子かな。放っておけない感じ」
「へぇ。見てみたい」
「、、俺のことはいいんだよ。水瀬こそどうなんだよ」
「私は、、私が一番臆病者かも」
「え?」
「みんなには偉そうに、自分の想いは伝えた方がいいって言ってるけど、実際私は伝えられてもいないし、もし目の前に現れたら正直言える気がしない」
「、、そんなの当たり前だろ」
「え?」
「気持ちを伝えられる人なんてそう滅多にいないよ」
「、、、」
「水瀬は水瀬なりに頑張ればいいんだよ。少なくとも俺は、水瀬のこと信じてるから、頑張れよ。じゃあな」
「?!」
朝
「菜々美ちゃん」
「あ、おはようございます」
「あのさ、」
「栞里ですか?」
「え?」
「里香先輩も気にしてたから」
「そっか、、あれから一度も会ってなくて」
「しおりなら大丈夫です。時間はかかるかもしれないけど、そのうちひょっこり現れると思います」
「ならいいんだけど」
「おはようございます」
「竹内くん、おはよう」
「おはよう」
「じゃあ俺一限あるから行くね」
「いってらっしゃい」
「なんの話?」
「ううん、なんでもない。あ、今日も紅茶でいい?」
「うん」
「あ、紅茶切れてる。確か上の棚に新しいのが。んー取れない」
「(後ろから取ってあげる)」
「?!」
「これ?」
「う、うん」
「はい」
「あ、ありがとう、、、」
「そうたー!ちょっときてー!」
「なんだよ(去る)」
「、、、なに、今の、、なんでドキドキしてるの、、」
「バーベキュー大会?」
「そう!私引っ越す時先輩にイベントもやるって言われたでしょ?だから、今年の夏はみんなでバーベキューをしたいって提案したらオッケーもらえて。しおりどうかな?」
「んー、でも今はそんな気分じゃないっていうか、、」
「拓人くんとのこと?」
「べ、別にあいつのこときにしてるわけじゃないし!」
「拓人くんも心配してたよ?言いすぎたって」
「、、、拓人が?」
「うん」
「、、、」
「今年の夏は先輩にアタックするんでしょ?拓人くんにあれだけ言ったんだから、頑張ってみない?」
「ななみ、、」
「余計なお世話かもしれないけど、しおりの先輩への気持ちは私が一番知ってるから。私みたいに伝えられないまま後悔して欲しくないの」
「ななみ、」
「しおりには後悔しない恋をしてほしい」
「、、うん、わかった。行く」
「うん」
「ありがとうななみ。色々ごめんね」
「ううん」
「よし!ファイトだ私!」
「ファイト!」
「んー!!いいバーベキュー日和!」
「ほんと晴れてよかったなー!筋トレ日和だ」
「ほんと修斗って筋肉バカよね」
「お前はただのバカだけどな」
「はぁー?!」
「こらこらケンカしないで手動かす」
「「はーい」」
「先輩が近い///」
「今日はアタックするんでしょ?頑張って」
「うん!」
ピンポーン
「あ、誰か出てくれる?」
「私でます」
ガチャ
「いらっしゃい」
「おじゃまします」
「え?拓人、、」
「栞里、、」
「ちょっと、なんで拓人がいるの?!」
「私が呼んだの。こうゆうイベントは人数が多い方が楽しいでしょ?」
「でも、、」
「このままじゃダメだと思う。いつも栞里のわがまま聞いてるんだから、今日ぐらい私のわがままも聞いて?」
「、、わかった」
「「、、、」」
「じゃあみんな集まったしバーベキュー始まるよー。修斗、奏太、拓人くん手伝って」
「「はーい」」
「、、これ、皿」
「、、ありがと」
「、、ブスッとすんなよ」
「え」
「そんな顔でいたら先輩に悪いイメージ持たせんだろ」
「、、、」
「、アタックするんだろ?なら最後までやり切れよ」
「、拓人、、言われなくてもわかってるし!」
「、、頑張れよ」
「!、、うん、」
「あの時思いついたのはこれか」
「うん、うまく行くといいけど」
「もうすでにうまく行ってると思うけど」
「え?」
「頑張れよ」
「!、、」
「はぁ!お腹いっぱい!」
「俺もー!!」
「今日の夕飯当番は、、、千夏と修斗か。食器の片付け頼むぞ」
「私拭く係ー!」
「は?!ずるいぞ!」
「先輩、飲み物もうないんですか?」
「あ、そーいえば飲み終わってたね」
「私買ってきます」
「え、いいよ、お客さんなんだから」
「私がそうしたいんです」
「じゃあお願いしようかな」
「はい!」
「、、、」
「なんでついてきたのよ?」
「なんでって」
「謝らないから」
「え?」
「この前言ったこと、間違ったことは言ってないし」
「、もういいよ、気にして」
「でもありがとう」
「え?」
「今日拓人がいなかったらあんな風に先輩と話できなかったかもしれないし。だから、ちょっとだけありがとう」
「、あぁ」
ガチャ
「片付け手伝う」
「あぁ、ありがとう」
「里香先輩と滝澤先輩?」
「?」
「鉄板の焦げって落ちにくいのよね」
「里香、このあいだのことだけど」
「?」
「この間って?」
「好きだって言ってきたこと」
「?!」
「、、何?」
「前にも言ったけど俺は」
「私とは無理だって?それは何回も聞いた」
「、、」
「釣り合わないとか俺じゃ無理だとかあと、何回聞けばいいの?」
「?!」
ガシャン!
「?!」
「栞里ちゃん?!」
「あ、あの、、、、すみません!(走り去る)」
「栞里ちゃん!」
「俺が行くんで」
「、、、」
「、、、」
「はぁはぁ」
「(泣).」
「、、、栞里」
「、、なんとなくわかってた」
「え?」
「あの2人には何かあるんじゃないかって」
「、、、」
「見て見ぬ振りして自分の気持ち貫こうって。でも、実際あんなところ見たら、、」
「、、、諦めるのか?」
「だって相手はあの里香先輩だよ?!勝てるわけないよ」
「だからって何もせずにただ指くわえて諦めるのか?」
「、、、」
「俺にあんな大口叩いたのはどこの誰だよ」
「、、でも」
「、、水瀬に言われたんだ。近くにいれて好きって伝えるチャンスがあるって羨ましいって。たしかにそうだよな、水瀬は伝えたくても伝えられないんだよな」
「、、、」
「、だから伝える。俺はしおりが好きだ」
「!?え?」
「こんな時に伝えるなんてどーかしてるよな。俺もこんなはずじゃなかった。けど、こんな状況だからこそ伝える。俺はお前がずっと好きだった」
「?!?!」
「俺はちゃんと伝えたぞ。あとは栞里、お前だけだ」
「、、、」
「どんな結果になっても、俺はずっとお前の味方だ」
「拓人、、」
「だから、、ぶつかってこい」
「、、、(走る)」
「、、頑張れ、しおり」
「、、、」
「先輩!」
「栞里ちゃん!あの、さっきは」
「先輩!私先輩に伝えなきゃいけないことがあります!、私先輩がずっと好きでした!」
「栞里ちゃん、」
「入学式の日、私を助けてくれたあの日から先輩は私の中のヒーローで、私の大好きな人でした」
「、、、」
「先輩の中では後輩1人だったかも知らないけど、私にとってはほんっとーに大好きな人でした」
「しおりちゃん、、俺は、」
「、、先輩、ちゃんと振ってください」
「、、」
「ちゃんと伝えてくれないと、私、前に進めないです」
「、、」
「だから、、お願いします」
「、、栞里ちゃん、好きだって伝えてくれてありがとう。嬉しいよ。でも、、ごめん。栞里ちゃんの気持ちに応えることはできない」
「、、、」
「本当にごめん」
「、、ありがとうございます。これで前に進めます」
「、、」
「先輩、想いは言葉にしないと伝わりませんよ?」
「しおりちゃん、」
「だから、先輩も後悔しない恋してください(走り去る)」
「、、」
翌日 学校
「なーなみ!おはよう!」
「しおり?!昨日心配したんだよ?!いきなりいなくなっちゃうし連絡取れないし」
「緋山栞里、先輩に振られました!」
「え?」
「頑張って想いを伝えたんだけど無理だった」
「しおり」
「でも!伝えてよかった。私の想いも聞いてもらえたし、それに対してしっかり振ってもらえたし、今はなんだかスッキリしてる。ななみがちゃんと伝えろって言ってくれたおかげ。ありがとね」
「しおり、私、、」
「なんで菜々美が凹んでるわけ?!凹みたいのは私なんですけど!」
「、、、」
「なーんてね!もう大丈夫!まぁしばらくは思い出しちゃうかもしれないけど、少しずつ前に進むから」
「しおり」
「、、あともう一つ報告が」
「水瀬おはよう」
「拓人くん」
「?!(立ち去る)」
「え?しおり?」
「、、、」
「もしかしてまたケンカ?!」
「いや、実は言っちまった」
「、、え?!」
「こんなタイミングで言うなんて思ってもなかったんだけど、つい」
「で、どうだったの?!」
「先輩とのことがあったばっかだしまだなんとも」
「そうだったんだ、、」
「でも伝えられてよかったよ。水瀬のおかげだ」
「私は何もしてないよ」
「水瀬がいつも応援して背中を押してくれてた。それが力になったんだと思う」
「ふふ」
「?」
「やっぱり2人はいいコンビだよ。結果はどうであれ、とりあえずお疲れ様」
「おう」
夜 家
「菜々美ちゃん、ちょっといい?」
「あ、はい」
「栞里ちゃん、大丈夫だった?」
「え?」
「昨日、色々あって、、」
「、、里香先輩は滝澤先輩のことが好きなんですか?」
「、、何度も忘れようと思ったの。けど、結局気付けば彼を目で追ってる」
「、、」
「出会ったのは高校生の時で。彼はクラスの人気者で私は教室のはじにいるような、交わることがない2人だった。けど、バイオリンの練習をしていた音楽室に彼が入ってきて世界が変わった」
「そこから好きに?」
「私のバイオリンの音色を好きだって言ってくれたの。そんなこと言われたの初めてだった。それから今まで以上にバイオリンに力を入れて、彼に少しでも近づけるように頑張った。その結果、バイオリンの実力が大学に認められて今の大学に推薦で入ることができたの」
「滝澤先輩には伝えたんですか?」
「高校卒業の時も伝えたし、大学に入ってからも伝えた。それに一週間前にも」
「滝澤先輩は?」
「俺たちは釣り合わないだの、俺じゃ無理だの断られてる」
「もしかしてこの家に住んでるのも」
「そう。そばに居たかったから。最初は断られたけど無理矢理にね。ストーカーみたいやね。同じ大学に入って、同じ家に押し入るなんて」
「そんな」
「でも、好きな気持ちは変えられないの。私は賢太郎が好き」
「里香先輩」
「ごめんね、菜々美ちゃんにこんなこと言って」
「いえ、私は。、、栞里は前に進むって言ってました」
「栞里ちゃんに嫌われちゃったかもね」
「そんなことないです!」
「?」
「たしかに2人のことはショックだったかもしれないけど、そんなことで人のことを嫌うような子じゃありません!」
「仲がいいのね、ほんとに」
「私もいろんな面で栞里には助けてもらってます。だから私も栞里の力になりたいんです」
「そう、、栞里ちゃんにはまた遊びにきてって伝えておいて」
「はい」
「、、、」
「、、、」
「今度はなんだよ」
「竹内くん。何が?」
「水瀬がここにいるときは悩んでる時だから」
「 バレてたか。恋って難しいなぁって思って」
「え?」
「みんな、幸せになろうともがいてる。でも、必ずしもその恋が成就するとは限らない。どうしてみんなが幸せになれないんだろう」
「そういう試練があるからこそ恋っていうんじゃないのか?」
「え?」
「何もなく幸せを手に入れたら、幸せの価値なんてなくなるだろ?試練があるからこそ最後は笑顔で幸せを感じられる」
「、、、」
「なに?!」
「すっごく心に染みた。竹内くんってすごいね」
「俺は別に」
「竹内くんは好きな人とかいるの?」
「え?、、」
「?」
「、、いる、かな」
「そうなんだ。どんな子?」
「、、可愛い子かな。放っておけない感じ」
「へぇ。見てみたい」
「、、俺のことはいいんだよ。水瀬こそどうなんだよ」
「私は、、私が一番臆病者かも」
「え?」
「みんなには偉そうに、自分の想いは伝えた方がいいって言ってるけど、実際私は伝えられてもいないし、もし目の前に現れたら正直言える気がしない」
「、、そんなの当たり前だろ」
「え?」
「気持ちを伝えられる人なんてそう滅多にいないよ」
「、、、」
「水瀬は水瀬なりに頑張ればいいんだよ。少なくとも俺は、水瀬のこと信じてるから、頑張れよ。じゃあな」
「?!」
朝
「菜々美ちゃん」
「あ、おはようございます」
「あのさ、」
「栞里ですか?」
「え?」
「里香先輩も気にしてたから」
「そっか、、あれから一度も会ってなくて」
「しおりなら大丈夫です。時間はかかるかもしれないけど、そのうちひょっこり現れると思います」
「ならいいんだけど」
「おはようございます」
「竹内くん、おはよう」
「おはよう」
「じゃあ俺一限あるから行くね」
「いってらっしゃい」
「なんの話?」
「ううん、なんでもない。あ、今日も紅茶でいい?」
「うん」
「あ、紅茶切れてる。確か上の棚に新しいのが。んー取れない」
「(後ろから取ってあげる)」
「?!」
「これ?」
「う、うん」
「はい」
「あ、ありがとう、、、」
「そうたー!ちょっときてー!」
「なんだよ(去る)」
「、、、なに、今の、、なんでドキドキしてるの、、」
