片想い


翌朝

「昨日は楽しかったぁ♫」
「よかったね」
「このお礼は絶対させてもらうから」
「楽しみにしてる」
「そーいえば、頼みごとをした上にまたまた頼み事なんだけど」
「今回は頼みごとが渋滞してるね」
「だよねー笑」
「笑い事じゃないし。で、今度は何?」
「滝澤先輩んちに住まない?」
「え?!どーゆーこと?!」
「昨日ね、菜々美がいない間に滝澤先輩に言われたの。滝澤先輩、この大学の人たちとルームシェアしてるんだって。で、一部屋余ってるからどーかって」
「なら栞里が住めばいいじゃん」
「うちは無理。大学卒業するまでは一人暮らしさせないって言われてるから」
「でもどーして私が?」
「だって菜々美が住んでくれれば滝澤先輩に会える機会も増えるし♫」
「そーゆーこと」
「いや、もちろん菜々美に会いに行くついでだよー」
「わたしの方がついでのような気がするんですけど」
「まぁまぁ。とにかく話だけでも聞いてみてよ!」


「滝沢先輩!」
「あ、栞里ちゃん。菜々美ちゃんも」
「こんにちわ」
「菜々美に話してみました」
「そうだったんだ。で、さっそくなんだけどどうかな?」
「まだ急なのでなんとも。お金もそんなにないので」
「あ、家賃なら気にしなくていいよ。今住んでるところ、俺のおじさんがもともと住んでたところで譲ってもらったから。ただ、生活費ってことで3万ぐらい入れてもらえれば」
「それだけでいいんですか?」
「まぁ、ちょくちょくイベントごとやったりとかあるからその時はプラスαで出してもらうけど、基本はそれぐらいで大丈夫だよ」
「ねえ、菜々美どうかな?悪くないと思うんだけど」
「俺の他にあと4人住んでるんだけどみんないい人だよ。きっと気に入ってもらえると思うんだけど」
「、、じゃあよろしくお願いします」
「やった!」
「よかったよ。引っ越してくるのはいつでもいいから」
「はい」


日曜日


「ありがとう菜々美!ほんっとにありがとう!」
「お金の面も助かるし、ちょうど引越しを考えてたから」
「いい友達を持ってほんと幸せ」
「で、なんで俺まで」
「だって引っ越し業者に頼むとお金もったいないし、あ!車運転できる人いるじゃん!で採用!」
「あのなー、人を足に使うな」
「拓人くんごめんね。この前はバイト代わってもらったのに、今回は引っ越しのお手伝いまで」
「水瀬は謝らなくていいんだよ。謝るのはこいつ」
「どーもすいませんー」
「お前なー」
「(微笑む)」
「あ!ここ!」
「すっごくおしゃれ」
「ほんと滝澤先輩ってセンス抜群!」
「はいはい」
「あ、みんな来たね」
「先輩!」
「今日からお世話になります」
「こちらこそ。とりあえず先荷物運んじゃおっか」

ダンダンダンダンダンダン

「?!」
「やばい!めちゃめちゃかわいいんですけど!!小動物みたい!!」
「?!」
「千夏、みんなびっくりしてるよ」
「だってもー楽しみすぎていてもたってもいられなくて!」
「、、あのー」
「あ、私ここに住んでる野崎千夏です。よろしくね」
「よろしくお願いします」
「同い年なんだからタメ口でいいよ」
「あ、うん」
「千夏、荷物運んであげて」
「はーい。こっちだよ」


「ここがリビング。まあ細かいことはあとで説明するね」
ガタン!
「?!」
「ちょっと奏太、あんた何やってんの?」
「いや、別に」
「あ、昨日の」
「え?何、知り合い?」
「知り合いというか、昨日助けてもらって」
「何よ奏太、女の子助けるとかやるじゃない」
「別に」
「あ、じゃあこの先は奏太が案内してあげて」
「え?」
「そうだな。じゃあ奏太よろしくな。ある程度片付けが終わったら菜々美ちゃんの歓迎会やるからまた降りてきて」
「はい」
「、、こっち」
「はい、、」

「ここが君の部屋。それとみんなあんまり使ってないけど一応鍵」
「ありがとうございます。あの、改めて昨日はありがとうございました。ほんとに助かりました」
「、、別に大したことはしてないよ。てか、タメ口でいいから」
「あ、うん。ありがとう」
「、、、あ、入って見たら?」
「あ、うん」
ガチャ
「え」
「あ、インテリアとかは色々女性陣がやってたみたいだから。気にいるかどうかは」
「すごく可愛い!!」
「?!」
「私今まで和室の部屋に住んでて、おしゃれなお部屋に住みたいってずっと思ってて!すっごく理想のお部屋!すっごく可愛い!!」
「お、おう。それは良かった」
「かわいー」
「(微笑む)」
「んー!」
「?!」
「お取り込み中のところ申し訳ないけど、準備ができたからそろそろ下に降りて来てもらえるかな?」
「はい」(階段降りる)

「何にも聞いてないんですけど」
「言ったら反対されると思ったから」
「それは」
「見つけてあげたし隣の部屋にしたし感謝しろよー」
「、、、」


「それではこれから菜々美ちゃんの歓迎会を始めます」
パチパチパチ
「えーと、じゃあ主役の菜々美ちゃんから」
「はい。水瀬菜々美です。教育学部の2年です。今日からお世話になります。よろしくお願いします」
パチパチパチ
「じゃあそこから時計回りで」
「はい!改めまして!野崎千夏、経済学部の2年です!千夏って呼んでね。趣味は」
「あーもーいいから」
「ちぇ。とにかくよろしくね」
「よろしく」
「俺は体育学部2年の笹野修斗です。よろしく」
「ただの筋肉バカだから」
「うるさい」
「べー」
「こらこら、じゃあ次」
「音楽学部3年の相沢里香です。よろしくね」
「里香先輩はね、バイオリンをやってるの」
「すごい」
「じゃあ次、奏太」
「、、経済学部2年の竹内奏太です」
「え?他にないの?」
「いや、、」
「よろしくね」
「、、よろしく」
「で、僕はここの家主で経済学部3年の滝澤賢太郎です。わからないこととかあったらいつでも聞いてね」
「はい。よろしくお願いします」
「じゃああとお友達の2人も」
「はい!教育学部2年の緋山栞里です!菜々美とは入学してからずっと親友です!あ、でこっちが幼馴染の冴島拓人です。同じく教育学部2年です」
「どうも」
「菜々美ちゃんはわからないことばっかりだからみんな教えてあげてね」
「よろしくお願いします」
「じゃあご飯も冷めちゃうし食べよっか」