「お前の事、大好きだった。ずっと一緒にいるって約束したのに…ごめんな。」

そういって、私の幼馴染は無理やり笑って言った。

「私も大好きだった!もっと一緒にいたかった…!大好き…行かないで」

私は泣きながら言った。

「ごめんね。最後くらい笑って」

そう君は言ったけど笑えなかった。

それは、君と話せた最後の日だった。


朝は携帯のアラームで起きる。
カーテンを開け、寝室から出る。
私は志望校受験の日に熱を出して受験に受けることが出来なかった。だから、実家から遠い高校に通っていた。
相変わらず、しんと静かな私の部屋は何日過ぎても慣れない。

トーストを食べながら今朝の夢を思い出そうとする。
頭がゴンッと誰かに殴られたような痛みが走る。
じわっと涙が滲んで頭をさする。
ピコンッとメッセージの通知音が鳴り携帯を見る。
『早く〜!外で待ってる!』
メッセージの相手は酒井夏江(さかいなつえ)この高校に来てできた、たった一人の親友。
『ごめん!すぐ行く!』
カバンを持ち外に出る。
今日は快晴だった。

「おそいよー」
「ごめんごめん!なんか変な夢見ちゃって」
「変な夢?」
「そうそう…えっと……」

思い出そうとするとまた頭が痛くなる。これはなんだろうか。靄がかかったように何も見えない。誰かと話していた夢だったはずだ。

「どうしたの?」