｢にゃあ｣



ネコが駆け寄り、私に甘えてくる



私は…


皆の事を知ろうとしていない


皆も、私に深く踏み込んで来ない



私の作った壁を壊し、溝を埋める
私をからかい楽しそうな土方さん



｢にゃあ｣



ネコが再び庭へ



私も草履を履き庭へ



ネコの隣にしゃがむ


｢にゃー！！！｣


｢怪我してるのか｣



茶色の猫が、威嚇してくる
後ろ足から血が出ている



｢おい　私は、敵じゃないって伝えろ｣



｢んにゃー｣




わかるわけないか…


沖田さんに、いつも言われるから
ついつい話し掛けて、通じる気になる


そぉーっと、手を出す


｢フッー！！！｣


怪我が痛まないように、そっと抱く


｢大丈夫、手当てするから大人しくな｣


猫を抱え、廊下に戻ると
近藤さんと土方さんと深雪に出会す



｢どうした、その猫｣


｢ネコが、見つけて…すみません｣


｢手当てしてやりなさい｣


｢ありがとうございます｣


｢にぁーん｣



ネコと礼を言い

自室へ



｢山崎さん！｣


｢はいはい！わかっとるがな！｣



テキパキと治療をしてくれた



｢凄いな｣


｢なんや？誉めてくれてんのか？｣


｢山崎さん…
私に、応急的な治療を教えてくれないか
すぐに対処出来たら、助けられることも
あるのではないかと｣


｢ええよ！まず、猫の治療したり！｣



｢はい｣