山賊の妻…
なんと可愛らしい女の子

どこでさらってきたのだろうか


私が面食らっていると


「もうぉーいやぁーーー!!!」


再び産気づき叫ぶ


その廻りには、おおよそ役に立たない狼狽する男達


「湯を沸かせ、そこの人綺麗な布
ちょっと!旦那!何突っ立ってる!
手を握ってやれ!」

「おう!」

「名前は?」

「熊五郎」

「あんたじゃない!」

「ゆきのだ」

「ゆき…ゆきのだな
ゆきの!これから母になるんだ!
辛くとも逃げるな!」

「はいぃぃっ!!!」

「痛い時は熊五郎の手を握れば良い!
まず、呼吸を整えろ!」

「大丈夫なのか!?こんなに痛がっている!難産なのか!?」

「狼狽えるな!
ゆきのがこんなに頑張っているのに!不安にさせるな!」

熊五郎は、大きな手でゆきのの手を包む

「五郎さん!!元気な子…
産むからーーーーぁ!」


「おんぎゃあ おんぎゃあ」


私の手に小さな命が乗った
大きな産声をあげている