敵に見つからないように山道を進む

2人を数人の山賊がつけている

一は、ずっと気がついて
どう切り抜けるか考えていた


前を歩く市村の背中には、土方が姉に託した物が入っている


どんな物が入っているかは、一も知らない


だが、土方に万が一の事があれば
それは、遺品となる大事な物だろう

一が視線を右手に移した
杖に見立てた刀を持っている
市村を逃がし、1人で闘おう


左手を大きくなったお腹に添えた




〝ちょっと動くけど、驚くなよ
大丈夫だから… 江戸まで良い子に…〟














「走れ!市村!!!全力で走れ!!!」