盛岡に到着した夜



「敵がいます!廻りで音が…」


ざわつく皆に一が言った



「廻りを完全に包囲するほどの人数がいれば、音をたてないだろう
大勢いると思わせたいのだろうが
恐らく、いても20くらいだ
襲ってくることはない!
旅の疲れをとるため、酒を一杯づつ飲もう!落ち着いて眠れるだろう!」


土方がニヤリと笑う



「一杯だけだ!」



皆が大喜びした







交代で見張りをして、敵の出方をみたが
一の予想通り、襲ってくることはなかった





翌、早朝


「着いたら文をくれ」

「はい!」


土方は、一に言ったつもりだったが
元気よく返事をしたのは市村だった



「あ、すみません!
斎藤さん書きそうにないから!」


ムッと口を尖らせる一を見て



「市村、頼んだ」



「書きます!!!
ちゃんと書きますよ!!!
2人して、腹立つ!!!」