体調不良の沖田さんを連れ回す事は出来ず
江戸に留まることになったが

住める家が見つからない



「労咳!? ダメダメ!!」



私は、ひとり


家を探し歩いた




いくら金があっても



素性のわからない私達に
家を貸してくれる人は、いない



わかっていても




早く沖田さんを布団に寝かせたくて
焦っていた




「お願いします!!!
ご迷惑は掛けません!!!」




必死に頼み込むが
追い出され、塩を撒かれる




「二郎?」




私は、声のする方へ向く



「二郎!!!」




斎藤だった



数年ぶりに二郎と呼ばれたのに
私は、反応した



そういえば、私の事を二郎と言いだしたのは、斎藤だったような気がする


「お前!食ってんのか?久しぶりだな!?」


私は、再会の喜びと
今の現状に変な顔で笑って答えた


「家、探してんだろ? 任せろ!!」