新選組では、コソコソと最後に入らせて貰っていた


お湯の綺麗さにも感激するが
露天風呂の素晴らしい景色に
うっとりする



背後から、掛け湯をした伊東さん


「どうだい?」


「殿様になった気分です!」


私の隣にザブンとつかり


「殿様か! そこは、姫様が良かったね!」


「ああ… そうですね」




やはり、女らしくない自身に
苦笑いする





伊東さんの手が、首にかかる髪をあげてくれた


「傷、残って無くて良かった」


少し考え


鈴木の爪にやられたっけと納得する


「別に気にしない」


「君は…少し気にした方がいいね
さて、本題に入ろう!本物の幸姫は?」


「病で死にました
私が新選組に入る前のことです」


「どんな人だった?」


「いつも、笑っていた
とても可愛いくて、賢くて…
彼女から学んだことは、役に立ってる」


「そうか…」


「徳川の姫だと知ったのも
死んだあとです」