「君菊が、あんまり体調良くなくて…
その… すまねえが…
着物とか用意してなかったみてぇで…」


新選組には、女中が3人もいる


近藤さんに身請けされた御幸太夫もいる


なんなら、原田さんとこのおまさの方が
経験があるだろう


何で、私に頼む!?


もやっとした気持ちで引き受けた




伊東さんがいる屯所で縫うわけにもいかず
面倒見がてら、君菊のとこにいる




「すんまへん…」


申し訳なさそうな君菊に



「別にいいけど」



素っ気なく言う




洗い替えも含めて
おしめや着物などをたくさん縫った


正直、早く終わらせたかった


指が痛い…




「凄い!!ホンマに器用なんどすな!?」


喜ぶ君菊をほったらかして
頼まれていた夕餉を作ろうと
炊事場へ


「深雪もだけど
太夫ってのは、不器用なのか?」


散らかった炊事場に苦笑いする


片付けからか…



どうにか夕餉を作り、食べさせ
片付けて帰ろうとする





「斎藤はんは、子供をみようとしまへんな」