その後も契約をある程度取り、会社に戻った。


支部長に呼び出された


「大本さん、若田さんの件で話があるからついてきて」


といつもの支部長にはない怖い雰囲気を感じた。


会議室に連れ出されドアを開くと若田 藍夏がいた。



支部長は若田に「あなた、ちゃんと仕事しているの?」



若田は「もちろん、してますよ~!」と嘘をついた。



支部長は感づいているようだ、彼女が嘘をついていること。



「仕事しているってなにをしているの?」



「ん~っと、保険の仕事ですよっ」



「じゃあどうして、契約を取りに行かないの?」



「今日行きましたよ!」



「いつ?あなた今日会社から一歩も出てないじゃない?」




「え~っと、大本先輩と行きました!」



私は耳を疑った



「ちょっと待って、私今日1人で行ったんですけど…」

私はいつの間にかそう言っていた。



支部長は「若田さん、あなた何の為に仕事しているの?」と言った。



「え?…何の為…?ですか?」



「ええ、そうよ。」



「自分の為ですよ?当たり前じゃないですか?」



「あなたはそれを理由にこの仕事をしているなら、辞めなさい。あなたには向いてないわ。この仕事は、遊びじゃないの。」



「支部長お言葉ですが私は、絶対に辞めませんよ?」



「辞めるか、辞めないかはあなたの自由よ。好きにしなさい。その代わりちゃんと考えなさい。」



「支部長、私は辞めませんからね」



「そう」



支部長は呆れた口調でそう言って会議室を出ていった。




若田は狂ったように笑い、


「なんで、あんた私の為に嘘付いてくれないの?私可愛いからなんでも許されるのに。あんたのせいで、全部歯車が狂うじゃん。ねえ?
あんたみたいな空気の読めない頭の悪い女になんで私を壊されなきゃいけないの?
大して可愛くもないあんたに…」




「本当その通り。でもあなたの為になってないよ。」



「もう、いいよ。あんたなんか消えればいいのに!」



若田はドアをバタンッと閉めて会議室を出ていった。