その時未悠が入ってきた


「ごめん、本当にごめん」


「…いいけど今お姉さん大丈夫なの?」


「姉さんは今トイレに行ったから大丈夫」


「そっか」


「じゃあ送ってくよ、夕飯も…」


「夕飯はお姉さんと食べて。私は大丈夫だから」


「そうか、じゃあ行こう」


私は足早に未悠の家から脱出し未悠の車に乗った。


「ごめん今日海月の家に泊まっていい?」


「家は広くないけどいいの?」


「十分広いじゃん」


「別に泊まっていいよ、明日も休みだし」


「やった!じゃあ車動かすね」




未悠はお客様専用駐車場に車を停め私の家に入った



未悠は予め仕事用のパソコンと服を持っていたようでソファーの横にある小さな机に置いてあった。



「服持ってたんだ」


「うん、突然仕事の都合で遠くに行かなきゃいけなくなった時用にね」


「ってことはいつでも泊まれるってことか」


「そう!俺心配だからさ」



1年前とびっくりするほどなんにも変わってない



お姉さんはきっと今頃怒っているだろう



なんて申し訳ないことしてしまったんだ。



とにかく未悠を先にお風呂に入らせよう



「未悠、先お風呂入っていいよ」


「そうだね、先入る」



未悠は先にお風呂に入ったみたいだ


私はその間に夕飯を作った




お風呂から上がった未悠は私のシャンプーの匂いがした



ああ誰かいるんだなとわかるくらいに


ソファーに座りパソコンを開く


まるで私みたいだ


駿人といる時は必ず下を向いて彼の姿を消していた。


未悠の背中はかっこよく女性が好きそうな肩幅で背中の広くて大きい。


駿人は華奢で肩幅も狭い対照的な2人



私はなんでモテそうな未悠を彼氏なんかにしているんだろう。


本当だったら1人を好むのに。


未悠と出会った時のことを考えた。


名門大学に通い勉強もできた


どこで出会ったんだろう


あぁ本を読むにはベストな場所


大学の横にある小さな遊歩道


私はいつもその遊歩道のベンチに座り本を読んでいた



そのベンチに吉田未悠という人物が座って本を読んでいた。



私は帰ろうとした時に本を落としてしまい拾おうとした時に彼がすかさず拾ってにこっと笑った



たまたま同じ大学に通っているのを知り仲良くなった



それからどんどん付き合っていく方向に。


趣味も合うし話も合う。


そして今まで連絡は1年間なかったが別れずずっとこのまま。