彼は立ち上がり私に話し掛ける



「海月ってさ、友達いる?」


私はどう答えたらいいかわからず、作り笑いで


「いるよ」

上辺だけの薄っぺらい友達ならいるよ。


「そっかあ。ならよかった」



どういう意味なのかよく分からない。



彼はテレビを消し、帰るのか玄関に向かった。




「じゃまた今度、仕事終わりでもいいから家来てね」




少し甘えた表情でにこっと眩しい笑顔を向ける。




「じゃあ今度行くね。気を付けて帰って」




彼は少し歩く速度を遅めにし、帰った。




ドアを閉めてリビングに向かう。



窓を見た



夕方なのに晴れて雲一つない。




すっごく胸が熱くなった。