(か、可愛い・・?)
何言ってるの、こいつ。
やっぱりサイコパスの私では、人の感情がわからない。
(堂々と殺されようとするなんて、馬鹿な奴ね。)
私はそう思いながら、刃物を振り上げた。
(・・・!?)
誰もこの刃をかわせる人なんていなかったのに彼は違った。
そして、私は手首を掴まれた。
「・・ッ。離して。」
「わかった。」
彼はそういうとすんなりと手を離した。
(こいつ、ただ者じゃないわね。)
ぺしっ
私の大事な刃物が手から落とされる。
・・・そして。
「どうして人間を殺すの?」
彼は青緑の瞳を静かに揺らしてそう言った。
その彼の頬には、「0035」という製造番号が書かれていた。