僕は殺人現場を見ていた。
それは、僕と同じ年齢くらいの少女がチンピラの男達をめった刺しにしている場面だった。
グシャッベチョ・・ボタッ
不快な光景だった。それは、本当に目をふさぎたくなるような見たくない場面だった。
彼女は肩で小さく息をしながらため息をついた。
「はあ。全く・・・これでちょうど百人目ね?チンピラさん。」
無残な死体になったチンピラの顔を彼女は踏み付けた。
そして、くるりと僕の方に振り返ると壁の影に隠れていた僕と目があった。
「あら、そんなところにいるのならあなたを殺していいってことね?」
彼女は僕に大振りの刃物を向けた。
華奢な体。透き通るような美しい黒髪。そして、炎のようなオレンジ色の瞳をしていた。
「可愛い。」
僕は衝動的にそう言った。
「な、なにいってんの。あんた」