図書館に入る。

でも、悪魔達が言っていた、結界って、なんだろう?


バチバチィ!


私が入った、すぐ横で、謎の音がたった。

私は、後ろを振り返る。

すると、エリックが、ふらふら焦げていた。


私は、あたりを急いで見渡した。

だけど、この光景に気づいている人は、いない。

あんなに大きな音がたったのに、なんで誰も気づかないんだろう?

階段下から来る子供も、降りてくるおじさんも誰も気づかない。


とにかく私は、急いで、エリックのところに駆け寄った。


エリックは、まだ宙をふらふらさまよっている。

ププッ。

私は、笑いそうになったが、我慢した。


(見れない人は、可哀想に。こんな面白い光景が見れないなんて。損してるよ。)


エリックは、フラフラしながら、また、


バチバチィ!


と、なった。


その瞬間、壁みたいなのが見えた。


その壁は、入口の両脇にある、大きな縦長の石と石から出ていた。


結界の元は、それだ。


これをどうやって外そう?


あ!!

私は、ひとつ思いついた。


私は、リュックから、取り出した。


その取り出したものは、

手や足、顔まで、あらゆるところが、細かくて作られている、“ぬいぐるみ”。


架鳴は、こういう、細かいものを作るのは、得意なのだ。

それに、このぬいぐるみは、架鳴からもらったあと私が持っていたものだから、少しは、神聖になっているはず。

(悪魔には、少し痛いけど。)


私は、ふらふら浮遊している、エリックに、

「エリック!ここの中入って!」

と言った。


エリックは、パチっと、目を覚まし、頷いた。


この中に入れば、エリックも、図書館に入れるだろう…。

うん。神聖だし。


私は、エリックの入った、ぬいぐるみを持ったまま、図書館に入ろうとした。


緊張しながら、結界の前を通り過ぎる。

よかった、通れた。


見事図書館の中に入れたようだ。

書庫の中をしばらく歩いていると、ぬいぐるみの中から、エリックの声がした。


「アリスなんか痛いんだって、どうすりゃいい。」

私はとっさに言った。


「うーん、ちょっとだけ我慢して!しばらくしたら出すから、あっ!!出てもいいよ。」


私の言葉にエリックは素直に従った。


「んーーー!!痛かったぁぁ!!」


と言って、エリックは、伸びをした。


私は、書庫の中を探した。広すぎてすべては、回れないと思ったが、私は、すべてを回る前に、怪しい場所を見つけた。

壁にくっついている本棚。
本棚の淵と淵の壁は、ひび割れのような、少し凹んでいる。

私は、辺りを見渡した。

ドクンドクン。緊張して、心臓がなる。

多分隠し扉だと思う。

「(エリック!!)」

私は、静かな声でエリックを呼んだ。

「(ここの、扉の鍵みたいな、開ける仕掛けを探して。)」

と、頼んだ。

エリックは、

「(ヘイホイ!)」

と言って、本棚を嗅ぎ出した。

エリックにとっては、これが何かを探す方法なんだそうだ。