「今度の文化祭は、各組合同でします。一年生は、演劇をすることになりました。黒の人達によると、」


先生達でも、黒っていうんだね。


「すべて、白の人が決めていいと言っていました。」


他人任せ?
きっとそれで自分たちは、しなくていいんだと思っているんだ。

私は、とても不満を持った。


先生は、「あとは、秘鳴さんを代表として決めてください。」


と言って、せかせかと、教室を出ていった。


秘鳴は、教卓に立って、始めた。

みんな挙手して、何かやりたいものを、言っている。


*白雪姫
*シンデレラ
*不思議の国のアリス
*かぐや姫
*自作
*美女と野獣


次々と決めていかれる。

でも、黒の人達の不満を買ったらどうなるの?

私は、思い切って立ち上がった。


ダァァン


机をめいいっぱい叩く。

みんなは、ビクッとしてこちらを向いた。

秘鳴も、詩鳴も、壱鳴も、遅鳴も。みんな。


私は、思っていることを全ていうことにした。


「みんなは、自分たちだけで決めてもいいと思ってるの?黒組の人達は、どうなるの?」


「なんで、あんな奴らのことを考えなければならないんだよ!」


頭の出来の悪そうな男子が、机の上に足を置いて喋ってる。


私は、強い口調で、


「あなたは、黒の人達に文句言われて、言い負かされてもいいんですか?」


「それは…嫌だけど…」

すごすごと首をすくめる男子。


「ほら、嫌なんでしょう?だったら、黒の人たちも入れて、みんなで決めましょうよ!いい意見も出そうだし、」


「で、でも言い伝えが…」


ギャルメイクの女子が、ぶりっ子ポーズに目をうるうるさせて、言った。


「言い伝えなんか知らない!無視してしまえばいい!あれは、昔の生徒会長と副会長たちの喧嘩です!私たちは、関係ない!」


みんな、「そりゃそうだ。」と言っている。


「あなた達も、黒の方に仲のいい友達や、兄弟姉妹がいる人もいるんじゃないの?だったら、私たちは、私たちで、黒白関係なく、仲良くしようよ!!」



しらけた。


シーンと静まり返ってしまった。


私が、言いすぎたせいか……


ぱちぱちぱちぱちぱちぱち


拍手が巻き起こった。


私は、ぽかんと口をアホのように空いた。


「いい演説だったよ。その意見に俺たちは、賛同しよう。」


遅鳴が言うと、「その通りだよ」と、クラスメイトが、口々に言う。


私は、心底ほっとした。


実は、少しだけ恥ずかしかった。