「えー。今日決めるのは、マラソン大会のチーム分けだ。各チーム5人。クラス全員で、3グループ。今から、10分で決めてくれ。よーいスタート!」



ピッ




先生は、私たちに質問の余地を与えず、タイマーを、ピッと押した。


私は、とにかく席に座ったままボーとした。



すると、


「アリス!僕らと組まない?」


と、遅鳴が寄ってきた。


私は、マラソンなどどうでもいいので、


「ん〜いいよ。 」

と答えた。



遅鳴立ちは、私の席の周りに集まり、紙に名前を書いていた。



紙に書かれた名前は、


密羽 秘鳴、壱鳴、詩鳴、遅鳴、アリス・ユピテル。



兄妹グループだった。そんなグループに私が入ってもいいのだろうか?


と、思うが、ニコニコこちらを見てくる、詩鳴の笑顔を見ていたら、考えが止まった。



10分もかからなかった。


先生が紙を受け取ると、



「よーし。次は、順番を決めてくれ。5分で決めろー。」


と言ってタイマーを押した。



「どうする?」


壱鳴が聞く。


「まず、足の速い、遅鳴兄は、1番手。」


と、秘鳴が言った。


「壱鳴は、最後になるにつれ、緊張していくから、2番手。私は、普通だから、3番手。ここだよね。詩鳴か、アリス。どっちがいいかな?アンカー。」


私は、どっちでもいいから、早く決めて欲しかった。


「詩鳴が、4番手。アリスが、アンカーね。」



アンカー……最後!?



一番走らなきゃいけないじゃん。


正直少しめんどくさい。




そんなことを考えているが、順番は、変わらず、


1番→遅鳴、2番→壱鳴、3番→秘鳴、4番→詩鳴、5番→アリス。


という感じになった。


先生は、これが決まると、授業が終わるから。と言ってそそくさ出ていってしまった。




3時間目は、国語。
4時間目は、英語。
5時間目は、数学。


私は、この三つの授業を乗り越え、放課後になったのを喜んだ。