(最悪だ…少し遅れ気味だ…)



そんな事を思いながら、わた…俺は控え室までの廊下を小走りで走る。



(急がないと睡眠時間が…)



---ガチャッ!!



俺は力任せに控え室のドアを開ける(思ったよりも大きな音が出で自分でも驚いてしまった)。



「んあ?」



そこには同じバイト仲間のアオイさんがいた。
アオイさんは黒い髪に赤いメッシュが入った髪を揺らしながら携帯から俺に視線を移した。



「んだよ、そんなに急いで」
『いえ、ちょっと野暮用がありまして…』
「客か?」
『違いますよ』


アオイさんは「そうか」と言うと再び携帯に視線を移す。
どうやらアオイさんはお客さんとのチャットを返しているようだ。

そんなアオイさんを横目に僕はロッカーを開けて帰る準備をする。
服はスーツのままだがその上からコートを着るから問題はない。



「そういえばお前、アフターとかやらねぇの?」