一歩ずつ一歩ずつ、少しずつ歩いていったら、だんだんとそれらしきものが見えた。

本当にそれは不自然に置いてあって、まるでゲームの宝箱を思い浮かばせるようなものだった。

今まで気づかなかった自分が逆に凄い。

私はそれに駆け寄って手に取ろうとした。

「ちょっと待て!!」

正木に腕を掴まれて制止された。少し痛い。

「何?」

私はその意図がわからずポカンとする。

「罠かも知れねえぞ! ほら……バンって爆発するかも」

正木は罠と言い張る正体を少しだけ考えながら言っていた。

「大丈夫だって。罠だったら今頃もう爆発してるよ」

私は掴まれて押さえられている手を無理矢理動かそうとする。

正木も負けまいと、両手で私の腕を引っ張る。

私が無理矢理正木を振り払おうとしたので、腕を乱暴に振ったら、偶然正木を殴った、みたいになってしまった。

正木がよろける。

「危ない!!」

みのりが、突如叫んだ。