「鬼に殴りかかったんだよ」

そんな……! ルールには鬼への暴力は禁止って書かれていたのに……!

そんなことで命を落としてしまうの……?

「何でだよ……そんな! 我慢すれば良いものを! そんな、無駄死にじゃねえかよ……!!」

正木はこの事とは関係ない。

だけど、悔しそうに拳を握り締めていた。

私もその言葉に胸が苦しくなる。

「止めたのに、嫌だ、絶対に殺すって言って……ハンマーで、鬼に、殺された」

捕獲。それは殺されたという事……。

そういう風に、本当の真実の言葉を、ゲームらしくカバーしていたのだ。

そんな残酷なこと、誰がやっているの?

まだその様子を見てもいないのに、脳内で何となく想像してしまって、それだけで吐き気がした。

「もう学校だよ」

しばらく続いた沈黙を、みずきが破った。