気付いたら、みずきはすっかりさっきまでの怯えた様子はほとんどなくなって、真剣な顔をして、スピーカーを見ていた。

だけど、明らかにその目は、私を見ていた。

少し目が合う。気付かなかったフリをしたけれど、あからさますぎて、おかしな行動になってしまった。

みずきは少しだけ笑うと、

「これ、私少し信じられなーい。
だからさ……試してみようよ」

最低。明らかに私で試す気だ。

分かったふりをして私は聞いてみる。

「何を? どうするの?」

「そんなの当たり前じゃーん。お前で試すんだよ」