「え、わっ!? みずき?」

みず、き……?

あの、私を苛めるみずきが……どうしてここにいるの?

私は、顔を上げて立ち上がる。

少しずつみずきに近づいていき、肩をそっと揺する。

みずきは、呆然としていて、口をパクパクとさせている。

まともに喋れる状況ではないみたい。

相当ショックなことがあったのだろうか。

「み、みのり、正木……あやか?
何でここに……あ、あ……」

「みずきっ! どうしたの? 具合悪いの?」

みのりはみずきに飛び付く。

いくら私を苛めるやつでも、私にとっては苦手な子でも、みのりにとっては友達だ。

「変なのがいて……ハンマー、持ってて……
そいつを引きずり出そうとした……
そしたら……吉田が……」

みずきは何かを思い出したのか、

涙を流して、怯えた目をしていた。

よっぽど恐ろしいことがあったのだろう。

吉田、というのはみずきと仲のいい一人だ。

吉田さんが……どうしたの?

いくら喋れない状況だとしても、

いつかは聞かなくてはいけない。

きっとこれは何か重要な情報だと思う。