ザザッ、ザザ……

またあの雑音がなる。

あの雑音は、少しだけ胸に響く音で、
恐怖を感じる音だ。

どこまで運営は私達を怖がらせたいのか。


《鬼ごっこ開始まで残り十分となりました。
チームを確認してください》

私達はスマホを確認する。が、メールが来た様子はない。

別のボタンを適当にポチポチと押してみるが、それも全く反応はない。

「どうやって確認するの?」

みのりと正木はまだ無言で携帯を見ている。

どうやら、チームの確認は諦め、

電波や、電話をかけられるかを確認しているようだ。


私は、またため息をつきながら

何気なく周囲を観察する。

「本当に、どうするの?」
私は無心で電柱をぼーっと見つめる。

そう言えば、ご飯も飲み物も飲んでない。

私の嫌いな人参でも、麦茶でもいいから飲みたい気分だ。

きっと今なら嫌いなものでも美味しく食べられる。