出来るだけ元気そうに振る舞ったものの、
何故か元気がないようになってしまう。

みのりに心配はかけたくないのに。

「無理しないでね」
みのりは微笑みながら学校の玄関口を開けて通る。

「大丈夫」
無理はしてないと言ったら嘘になるのかもしれない。
でも、無理をしてると言ったら自分が負けてしまうような気もするし、自分が弱い人なんだ、と思う。

せめて強がることくらいはしていないと、
今のいじめには耐えきれていないと思う。

「いつでも私の事頼っていいんだよ?
あやかに頼られないと、何か私って感じがしない」

みのりの言葉があまりにも心強すぎて、
私は「ふふっ」と、少しだけ笑うことができた。

本心から出た笑いで、私の心はすこしだけ軽くなった感じがした。

このまま喋っていたい、とは思うけど
そろそろ家に帰らなくては親に心配される。
早く帰らなきゃ。