~あやかside~

「それで、結局私達の赤組は負けちゃって……」
みのりは私に悲しそうな笑顔を向ける。
その笑顔がより一層私の心を苦しめる。

みのりが今までこんな寂しい表情を
したことはなかったから。

一年生は、純粋だ。

だから相手が傷つく、とか中々考えられることではない。
平気でずかずかと、自分の思ったことをいってしまうものなのだ。

「結局、お前のせいで負けたんだ、って皆に言われて
すみれとも喧嘩して、孤立して……」

そう言えばみのりは、私が小学校二年生の頃に転校してきたんだっけ。
その時から私はいじめられてて、事情を知らないみのりは平気で仲良くしてくれた。

みのりはこれ以上喋ることはなかったけれど、
恐らく、その後いじめられて、結局耐えきれずに
こちらに転校してきたのだろう。

「そっか……辛いよね」
これ以上私はなにも言えなかった。

「さて、これ以上居ても気分悪いよね。帰ろうか」
みのりは、もとの明るいみのりに戻った。
まるで、スイッチのオンオフを切り替えたみたいに。