──パァン! パァン!

一位が決まった。

赤組の方、すみれたちが待機している場所を
ちらりと見てみる。

全員私の方を見ていた。

目が少しだけひきつり、ぴくぴくと動く。

私は、転んだのだ。

足がもつれて。

ほんの少し寒気がした。
具合が悪い、とか言うわけではなく、
皆の視線を痛いほど感じて怖くなった。

「ごめん……」

独り言だけれど、少しだけでも罪滅ぼしをするためだったのだろう。その時の事はほとんど覚えていないが、
涙目で謝る。

私は無言ですみれの後ろをついて行く。

その時には、私の目には大粒の涙が流れては
地面にポツリポツリと落ちていた。

すみれは一向に私の事を見ない。

だけれど、赤組は私達を最後まで見守っていた。

「うわぁぁぁぁぁぁあ!!」
私は大声を上げて泣く。
私のせいで負けたことと、転んだ痛みも混じった
悲しさがわあっ、と溢れてきた。

六年生の明るそうなお姉さんがこそこそと
笑っていた。

すみれは、一拍置いてぐるっ、と勢いよく振り返り
叫んだ。
「そんなことで……泣かないでよ! 私の方が辛いのに! バカ! みのり、最低だよ……」

私は、そんな風に睨むすみれを見ることができず、
俯いて黙ることしかできなかった。