学年別リレー。あと少しだ。

赤組、白組、得点の差は対してない。
でも、今の時点では僅かに私たちの赤組が勝っている。
多分……いや、絶対にこのリレーで勝負は決まる。

私の心臓の鼓動が早くなり、口から飛び出てしまいそうだ。

「うう……」
私がそんな風にしかめっ面の緊張した顔で
トラックをじーっと眺めていると、すみれは

「大丈夫だって! 私、沢山練習したもん。
ごぼう抜きくらい余裕だって!」
私は、そのすみれの明るさに、少しだけ助けられ、

鼓動が少しずつ落ち着いてきた。

少しだけ大きく息を吸ってみる。