「あら、どうしたの、磨美?」

呆然としてると、美しい声が聞こえてきた。

私の母、瀧本雄美。大手出版社に勤める、キャリアウーマンだ。

夜遅くに帰ってくるから、朝起きるのは私より遅い。

「ああ、お母さん。こんなのが…」

手紙を見せると、「ああ!」と手を叩いた。おばさんくさい…

「やっと来たのねえ、来ないかと思った〜。」

え?いや、なぜこの状況を素直に受け入れられるの?

「あら?私と磨美は魔女だって言ってなかった?」

そんなの一言も言ってないわ。言ってたら覚えてるわよ!

「じゃ、ちょっと昔話をしましょうか。」

お母さんの家は、家族全員魔法使いだったの。そして代々魔法使い同士で結婚してた。

それは村の掟だったから。でもお母さんは人間界に来た時お父さんに恋してしまった。

家族には反対されたわ。でもどうしても諦められなくて、人間界に来たの。

それ以来家族には会ってないわ。