煙草に火を点ける。

フゥーと吐いた息は白く曇っている。

「かったりぃ」

小さく呟いて、下を向く。


校庭には新入生が溢れかえっている。今日は私立月下高等学校の入学式だ。

「……後輩なんて良いパシリになるだけで、別に興味ねぇよ」


ダチは可愛い子がいないかと必死に探し回ってるらしい。


俺は女なんてかったりぃもんはいらねぇ。

特に年下なんて面倒だ。


何かを与えるなんて面倒臭い。

俺は適当に利用できる奴が良い。


その点、年上は甘やかすし束縛しないしで便利だ。



……今は年下も年上も女はいらねーけどな。