against

「私はさ――」

同じような言葉を二度言って。また少し間を作る。

俊也はうんともすんとも言わなかった。ただ私の言葉には耳を傾けていてくれた。

「私は……くるくる、くるくる壊れたように速く、速く針がまわる時計が、欲しい」

腕に巻き付く金色の時計を太陽に向けて、さらに輝かせるように左腕を高く突き上げると、指先から全身に血が落ちてきたかのように、スーっと染み込んだ。

毎日、同じ速度の金色の針。

逆光の文字盤は見えにくいけれど、今日も同じリズムで動いている。

天に向かったまま下ろせない掌をぎゅっと握りしめて。

動いているのが、その腕と掌だけの世界はただただ恐かった。

ひかれた?

私は度合いがわからなくなっていたんだ。

ぴくりとも動かない俊也。彼は今、何を考えているんだろう。

私の脚の方を向いていて、表情がわからない。

いつもより近い距離が、何だかよけいに虚しさや恐怖、後悔を煽り、私は残っている右腕も太陽に向けた。